絵本界のノーベル賞、スウェーデンの文学賞を受賞した韓国の絵本がキモ可愛い

絵本界のノーベル賞と称されるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞(The Astrid Lindgren Memorial Award)の2020年度受賞者が韓国出身の作家ペク・ヒナさんに決定した。

絵本『ぼくは犬や』

絵本『ぼくは犬や』より(ペク・ヒナ作)

アストリッド・リンドグレーン記念文学賞は、児童文学や青少年向けの文学作品に与えられる賞として、スウェーデン政府が同国を代表する作家のアストリッド・リンドグレーンの名を冠して2002年に創設した権威ある児童文学賞。賞金は500万スウェーデンクローネ(日本円で約5,400万円)で、2005年には日本の絵本作家・荒井良二さんが受賞している。

ご存知の方も多いと思うが、スウェーデン出身のアストリッド・リンドグレーンは、イーニッド・ブライトン、アンデルセン、グリム兄弟に次いで、世界で4番目に多い翻訳作品を持つ世界的に著名な児童文学作家。代表作の『長くつ下のピッピ』シリーズは全世界で1億3,000万部以上を売り上げ、90年代に映画監督の宮崎駿氏が同作のアニメ化を打診したという逸話があるほど。また、彼女の激動の半生を描いた映画『リンドグレーン』も昨年12月に公開されている。

さて、今回同賞を受賞したペク・ヒナさんの最新翻訳絵本『ぼくは犬や』が4月16日に発売されるので、ここに併せて紹介する。

絵本『ぼくは犬や』

『ぼくは犬や』ペク・ヒナ/作、長谷川義史/訳(ブロンズ新社刊)

同書は、2019年に韓国で発売された絵本で、ペク・ヒナさんの前作『あめだま』に登場する犬「グズリ」の視点で人間家族との日常を描いた、笑いあり涙ありの心温まるストーリー。長年、犬と暮らしているというペク・ヒナさんが、犬たちへの感謝や愛を綴っている。翻訳は、ユーモラス&ハートウォーミングな作風が人気の絵本作家・長谷川義史さんが担当。主人公グズリの気持ちが大阪弁で軽快に表現されており、思わずクスっと笑ってしまう。絵本『ぼくは犬や』

ストーリーもさることながら、ペク・ヒナさんの作品の特長である表情豊かな人形にも注目。本書の各シーンに合わせ、一体ずつ粘土を成形して焼き上げたものだという。さらに、背景セットの制作から照明、撮影まで、すべてペク・ヒナさんが一人で行っている。

独特の世界観で一度見たら忘れられないペク・ヒナさんの作品。スウェーデンの権威ある賞を受賞した絵本をぜひ手に取ってみて。

絵本『ぼくは犬や』の詳細はこちら。(外部サイト)

THE STYLE OF NORTH 編集部

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