一児の母、フィンランドの人気シンガーChisuが語る“仕事と子育ての両立”とは?

フィンランド出身のシンガーソングライター、Chisu(キス)。2008年のデビュー以来、フィンランドの音楽シーンの最前線で活躍し続けるChisuは、子育てに奮闘するワーキングマザーでもある。2020年1月に38歳を迎えた彼女が、フィンランド版『ELLE』1月号のインタビューで仕事と子育ての両立について語っている。

Chisu

Photo : Juha Mustonen(ELLE.fi) 

近年フィンランドでもっとも成功した女性アーティストとして知られるChisuは現在、5歳になる娘と暮らしている。「娘を出産して私のライフスタイルは完全に変わったわ。出産前は夜に創作活動していたけれど、今は9時から5時までが仕事の時間よ。午前中にスタジオに行き、夕方には幼稚園へ娘を迎えに行くの」と話す。

娘との生活を楽しんでいるというChisuだが、出産後はワークライフバランスに悩んだようで「自分の好きなときに音楽が作れない生活に慣れるのが難しかった。今でも仕事の機会を逃していると感じることがあるわ。でも、変化を受け入れるときには何かを諦めなくてはならないこともあるでしょ? マイナスの面だけに囚われてはいけないと思う」と葛藤があったことを明かしている。

Chisu

Photo : Juha Mustonen(ELLE.fi) 

ジェンダーイコーリティーの先進国で、ほとんどの女性がフルタイムで働くフィンランド。Chisuもその一人だが、ツアーやレコーディングで家を空けるときは、家族のサポートに頼ることもあるという。「娘がいつも通りの生活を送れるように気を配っているけれど、一人では無理なこともある。母が近くに住んでいるからすごく助けられているわ」。頑張りすぎないこともChisu流の子育てのようだ。

また、女性が仕事をしながら子供を育てていくことについては、自分自身が幸せであることが大切だと言う。「私がすごく疲れていたり、ストレスを感じていたりすると、それが娘にもダイレクトに影響してしまうの。子供って本当に敏感よね。まず、母親である私たちが幸せでないと」

Photo:THE AMF.COOL

インタビュアーから「一番大切にしていることは?」と聞かれると「私は今、人生で一番忙しい時期を過ごしている。バンドや曲作り、子供、パートナーや友人、そして高齢の両親もいるわ。毎日の生活で簡単に自分を見失いそうになる。そんなときに忘れないようにしていることは、アーティストでもなく、母でもなく、妻でもない“私自身”に戻れる時間をつくること」と答えている。

ポジティブな変化に目を向け、仕事や育児に追われる日々の中でも自分自身を見つめる時間をつくるというChisu。毎日を忙しく過ごす日本のワーキングマザーにも彼女の言葉が響きそう。

THE STYLE OF NORTH 編集部

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