サウナに続くフィンランドの重要な二つの伝統文化、ユネスコの無形文化遺産に登録

文化的慣習や無形遺産の表現を認定するユネスコの「世界無形文化遺産(Intangible Cultural Heritage of Humanity)」の一覧に、フィンランドのクリンカーボートの伝統とカウスティネン地方のフィドル演奏が登録された。2020年にフィンランドで初めて世界無形文化遺産に登録されたサウナ文化に続いて、2つの伝統文化が正式にリストに加わることとなった。

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湖に佇むクリンカーボート Photo:Visit Finland/Emilia Hoisko

■北欧の伝統的なクリンカーボート
「クリンカーボート」は何千年もの昔から造られている北欧の伝統的な木造の船で、フィンランドでは何世紀にも渡って海岸から海岸へと人々を繋いできた。現在もクリンカーボートはフィンランド人の日常生活において重要な役割を果たしている。

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Photo:Visit Finland

フィンランドには数多くの湖があり、夏に湖のほとりのコテージで過ごすフィンランド人のライフスタイルは、サウナ文化とクリンカーボートの伝統にも深く根付いている。クリンカーボートはサマーコテージでの生活には欠かせないもので、ボート漕ぎやセーリング、釣りなどに幅広く利用されている。

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フィドルは擦弦楽器、特にヴァイオリンを指す名称でもある Photo:Visit Finland/Lauri Oino

■カウスティネンのフィドル演奏
フィンランド北西部に位置するカウスティネンは人口約4,300人の小さな村。19世紀からフォーク音楽が有名で、現在も幅広い年齢層の人々がカウスティネンのフィドル演奏の伝統を受け継いでいる。シンコペーションとアクセントのある独特のリズムが特徴的で、そのスタイルと演奏技術は250年以上前から存在しており、数百曲のレパートリーがあると言われている。

カウスティネンは、毎年7月に北欧最大級の民俗音楽祭「カウスティネン・フォーク・ミュージック・フェスティバル(Kaustinen Folk Music Festival)」が開催されることでも知られている。村の周辺にはホテルや納屋、コテージなど、さまざまな宿泊施設があり、訪れる人は音楽祭に参加しながらフィンランド人の夏の過ごし方を体験することもできる。

国連の世界幸福度調査で4年連続世界でもっとも幸福な国に選ばれたフィンランドでは、幸福は伝統文化と深く結び付いていると考えられている。フィンランドを訪れる際は、これらの伝統文化を体験し、フィンランド人の「幸福」を肌で感じてみるのもおすすめだ。

※新たに追加されたフィンランドの2つの伝統文化についての詳しい情報は、UNESCO Representative List of the Intangible Cultural Heritage(https://ich.unesco.org/en/lists)で確認できる。

THE STYLE OF NORTH 編集部

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