ノルウェー最大の罪を描いた映画『ホロコーストの罪人』、衝撃の告発映画は本国で賛否両論

ノルウェーの国家警察や一般市民がホロコーストに加担していた衝撃の実話をもとに描かれた映画『ホロコーストの罪人』が8月27日より、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開される。

映画『ホロコーストの罪人』ポスター

ノルウェー系ユダヤ人をアウシュビッツに送っていたのはノルウェー人だったーー。そんなノルウェーの暗部であり最大の罪にスポットを当てた本作は、あるユダヤ人一家が直面する悲劇的な運命を追った歴史ヒューマンドラマ。

【STORY】
舞台は第2次世界大戦中のノルウェー。ユダヤ人一家のブラウデ家では、ボクサーの息子・チャールズ(ヤーコブ・オフテブロ)が結婚し、家族全員が幸せな日々を送っていたが、ナチス・ドイツがノルウェーに侵攻したことで状況が一変する。チャールズたちユダヤ人男性はベルグ収容所に連行され、厳しい監視の下で過酷な労働を強いられる。一方、残された妻や母はチャールズの帰還を待ちながらも、スウェーデンに逃亡する準備を進めていた。

しかし、1942年11月、ノルウェー国家警察と一部の市民によってユダヤ人全員がオスロ埠頭へと強制移送されてしまう。そこで待ち構えていたのは、ナチスの強制収容所・アウシュビッツへと向かう船だった。

映画『ホロコーストの罪人』場面写真

主演のヤーコブ・オフテブロ ©2020 FANTEFILM FIKSJON AS. ALL RIGHTS RESERVED.

本作は2020年12月にノルウェーで初公開され、その題材から賛否両論が巻き起こった衝撃作。第2次世界大戦時、ノルウェーには1,500人以上のユダヤ人が生活していたと言われるが、本作によれば、戦時中に強制収容所に移送されたノルウェー系ユダヤ人は773人。そのうち生き残ったのはわずか38人だったという。

事件から70年経った2012年1月、当時のノルウェー首相であったストルテンベルグ氏が、ノルウェー警察や一般市民らがホロコーストに関与していたことを認めて、政府として初めて公に謝罪をしたことでも知られている。

映画『ホロコーストの罪人』場面写真

©2020 FANTEFILM FIKSJON AS. ALL RIGHTS RESERVED.

本作を手掛けたのは、原宿に憧れるアニメ好きな少女の孤独を描いた前作『HARAJUKU』で注目されたエイリーク・スヴェンソン監督。

監督はインタビューで、自国ノルウェーの過ちを描く上で難しかった点や観客の反応について問われ、こう答えている。「私は比較的若い世代になると思うので、上の世代の方々と比べて一連の出来事に対してより客観的に好奇心と広い視野を持ってこの題材に取り組めたと思います。この作品が取り上げた題材は自国ノルウェー内でも多くの論争があったので、その点については映画制作でも特に意識していました。作中では歴史学者たちによって語られている内容やその他重要資料など物語の真実の部分について細心の注意を払いました。結果、本作はノルウェーの観客、批評家、歴史学者たちから好評を得ることができました。同時に多くの人たちからはノルウェー人たちを無実な英雄として描くのではなく、ほかの視点から描く作品が増えても良い頃だろうという声が上がりました」。

映画『ホロコーストの罪人』場面写真

©2020 FANTEFILM FIKSJON AS. ALL RIGHTS RESERVED.

いよいよ公開が迫った本作。2021年8月21日に行われたノルウェーのアカデミー賞と言われる「The Amanda Award」で、主役のチャールズを演じたヤーコブ・オフテブロが最優秀主演賞を受賞するなど、俳優陣の評価も高い。
ノルウェーから届いた衝撃の最新作をお見逃しなく。

【Information】
映画『ホロコーストの罪人』
監督:エイリーク・スヴェンソン
脚本:ハラール・ローセンローヴ=エーグ、ラーシュ・ギュドゥメスタッド
製作:マーティン・サンドランド
音楽:ヨハン・セデルクヴィスト
出演:ヤーコブ・オフテブロ、クリスティン・クヤトゥ・ソープ、シルエ・ストルスティン、ピーヤ・ハルヴォルセン、ミカリス・コウトソグイアナキス、カール・マルティン・エッゲスボ

2020年/126分/カラー/ビスタ/5.1chノルウェー語・ドイツ語/ノルウェー/日本語字幕:高橋澄  PG-12
原題:Den storste forbrytelsen
英題:Betrayed
後援:ノルウェー大使館
配給:STAR CHANNEL MOVIES
(C)2020 FANTEFILM FIKSJON AS. ALL RIGHTS RESERVED.

https://holocaust-zainin.com

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