<北欧で暮らす日本人>ノルウェーのスローライフを楽しむリサさんの一日

現在、海外で暮らす日本人は約139万人と言われ、北欧5か国には計1万人近い日本人が在住しています。世界幸福度ランキングの上位に名を連ねる北欧諸国ですが、日本人にとってはまだまだ馴染みの少ない国々。現地での実際の暮らしはどのようなものなのでしょうか。ノルウェー在住のリサさんの一日に密着しました。

ノルウェー在住のリサさん

ノルウェーの首都オスロ在住のリサさんにお話を伺いました

PROFILE/リサさん
兵庫県出身。日本での社会人経験を経て、2016年にワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアへ。現地でスウェーデン人のパートナー(ジェスパーさん)に出会い、2019年夏にスウェーデンへ渡る。帰国後、再びワーキングホリデービザを取得し、2020年春からノルウェー在住。現在、首都オスロで働きながらパートナーと二人暮らし。

取材当日は、リサさんがよく訪れる公園で待ち合わせ。愛用の電動キックボードでやって来たリサさんに早速、現地での暮らしについてお話を伺いました。

ーー海外生活が長いリサさんですが、ノルウェーでの生活にはもう慣れましたか?
「ノルウェーに来てもうすぐ半年になるので、だいぶ慣れてきました。日々の生活ではまだ戸惑うこともありますが、オーストラリア時代に苦労したので、だいたいのことは想定内というか。海外でよくある不便さには慣れているので、ちょっとしたことでは驚かなくなりましたね。オーストラリアでの経験が役に立っています」

ーーなるほど。語学はオーストラリアで身につけたのですか?
「はい。オーストラリアに行く前は英語が話せませんでした。現地で3か月間、語学学校に通い、その後はレストランで働きながら身につけました。3年間の滞在の中で、シェアハウスで海外出身の人たちと一緒に生活したことも大きかったと思います」

ーーノルウェーに来て驚いたことやカルチャーショックはありましたか?
「やはり物価の高さには驚きました。あとは、オンオフがはっきりしているところでしょうか。以前、湖畔へ散歩に行ったとき、平日の夕方にもかかわらず多くの家族連れがバーベキューをしたり、日光浴を楽しんでいたんです。日本ではあまり見ない光景だったので、カルチャーショックを受けました。ノルウェーではプライベートの時間を大切にしている人が多いと感じます」

※ノルウェーではフレックスタイム制を導入している企業が多く、午後3時~4時に終業ということも珍しくない。週の所定労働時間は37.5時間と、日本の40時間よりも短い。

公園で読書を楽しむリサさん

公園で読書を楽しむリサさん。日光浴をする現地の人の姿も

ーーオスロ市内のカフェで働くリサさん。普段はどう過ごしていますか?
「オフの日や時間があるときはよく公園で過ごしています。ノルウェーの公園は柵がなく、きれいな芝生が広がっていて解放感があるんです。一人で過ごすときは持参のシートに座って本を読んだり、のんびりと景色を眺めたり。彼や友人と一緒のときはバレーボールをすることもあります。現地の人も夏になると日光浴やキャンプを楽しんでいますよ」

ーーたしかに今日も日光浴をしている人が多いですね。移動はいつも電動キックボードですか?
「そうですね。電車やバスも利用しますが、ノルウェーは日本ほど公共交通機関が発達していないので、気軽に移動できるキックボードが便利です。オスロでは電車内にも持ち込みできるので、通勤の時も使っています。これは購入したものですが、市内にはアプリ登録でレンタルできるキックボードがたくさんあります」

リサさんのお気に入りエリア「アーケル・ブリッゲ」で

ーーオスロでお気に入りの場所はありますか?
「オスロ市庁舎からすぐのアーケル・ブリッゲ(Aker brygge)というベイエリアが好きです。フェリーの発着場やシーフードレストランなどがあって観光客も多いスポットですが、海の近くを散歩するだけでも気分転換になります。オーストラリアとはまた違う、ヨーロッパの街並みがとても新鮮に感じるので、今はいろいろなところに出かけて街の雰囲気を楽しんでいます」

ーーここからフェリーが出ているんですね。
「はい。アーケル・ブリッゲからは、オスロフィヨルド内の島へ行くフェリーが出ています。私も以前ここからフェリーを使ってHovedøyaという島へ遊びに行きました。とても小さな島ですが、きれいなビーチがあるので夏は海水浴を楽しむ人たちで賑わっています」

ベイエリアを散歩をしながらリフレッシュ

ーーリサさんは英語が堪能ですが、現地でのコミュニケーションで苦労することはありますか?
「ノルウェーではほとんどの人が英語を話せるので、日常のコミュニケーションに困ることはありませんが、スーパーや街のお店の商品はすべてノルウェー語表記なので、買い物で苦労することはあります。私の職場は多国籍のため勤務中は英語を使いますが、現地で仕事を探すにはノルウェー語が話せた方が断然有利です」

お気に入りのカフェで一息

ーー午後はリサさんが働いている「Matcha Cafe」へやってきました。ノルウェーで抹茶のドリンクやスイーツが食べられるなんて驚きました!
「この『Matcha Cafe』は今年5月にオープンしたばかりなんです。市内の別のカフェにも行きますが、“抹茶”のような日本独特の味は他のカフェにはないので…。『Matcha Cafe』には日本好きのノルウェー人やオスロ在住の日本人の方もよくいらっしゃいますよ」

ーー日本が恋しくなることもありますか?
「はい。一番は日本の食べ物ですね。海外のスーパーマーケットに比べると、日本のスーパーにはいつも新鮮なものがありますし、お惣菜なんかも簡単に手に入りますよね。ノルウェーではそういった環境がないので、帰国すると『日本のスーパーはキラキラしてる!』と感動します。あとは、普段から外国語でのコミュニケーションが多いので、日本の友達と日本語で気兼ねなくおしゃべりする時間も今となってはとても貴重だと思います」

ーーパートナーとはどの言語で話しますか?
「お互いの母国語ではありませんが、英語で話します。彼はスウェーデン人ですが、ノルウェー語も話しますし、今はお互いノルウェーで生活しているので、私も将来的にはノルウェー語を勉強したいと考えています」

美味しい抹茶ラテをいただき、カフェで一息ついた後は、リサさんのご自宅にお伺いしました。パートナーのジェスパーさんも帰宅し、二人でお菓子を作ることに。料理の合間に、引き続きリサさんにお話を伺います。

【Café Information】
Gohan Matcha Cafe
Folketeaterpassasjen 21-23, 0181 Oslo, Norway

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THE STYLE OF NORTH 編集部

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