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北欧の現代を描く最新映画『突然、君がいなくなって』6月20日から全国順次公開

第77回カンヌ国際映画祭ある視点部門のオープニング作品に選出されたアイスランドの俊英ルーナ・ルーナソン監督の最新作『突然、君がいなくなって』(英題:When the Light Breaks)が6月20日(金)から全国で順次公開される。

これまで3作の長編映画でカンヌ、サン・セバスティアン、ロカルノなど数々の国際映画祭の賞や招待を受け、短編映画「Two Birds」ではアカデミー賞にノミネートされるなど、世界的に注目を浴びるルーナ・ルーナソン監督。今作では誰もが経験しうる身近な人の不在、そして集団のなかでの個と個の儚くも美しいつながりを、真っすぐに描き切る。

When the Light Breaks

© Compass Films , Halibut , Revolver Amsterdam , MP Filmska Produkcija , Eaux Vives Productions , Jour2Fête , The Party Film Sales


ある日突然、最愛のひとを失ったら。
その悲しみを誰にも打ち明けられないとしたら――

【STORY】アイスランド・レイキャビクの美大に通うウナには、大切な恋人ディッディがいる。しかし、二人の関係は秘密だ。彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人、クララがいるのだ。ある日ディッディはクララに別れを告げに行くと家を出た後、事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、ひとり愛する人を失った悲しみを抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れて――。

行き場のない気持ちに翻弄されるウナの姿、徐々に近づいていく“愛する人を失った”二人の距離を、狂おしいほどの緊張感とかつてない繊細さで映し出す。


世界を魅了した「北欧の現代」を描く傑作

カンヌ国際映画祭「ある視点」部門のオープニング作品として上映されるやいなや、「凄まじく引き込まれる」「美しい」と世界中から絶賛の声が寄せられた本作は、『わたしは最悪。』や『コンパートメント No.6』に続く北欧発の現代を映し出す人間ドラマの傑作として評価されている。

監督を務めたのは、短編作品『The Last Farm』でアカデミー賞にノミネートされたルーナ・ルーナソン。秘密を抱えた主人公ウナを演じるのは、映像・音楽作品で幅広く活躍するエリーン・ハットル。親密さを感じさせる繊細かつ力強い演技で、2025年ベルリン国際映画祭にてヨーロッパ・シューティングスター賞を受賞した。

When the Light Breaks

© Compass Films , Halibut , Revolver Amsterdam , MP Filmska Produkcija , Eaux Vives Productions , Jour2Fête , The Party Film Sales

北欧の島国・アイスランドが魅せる美しい映像と音楽

観る者の心を揺さぶる、北欧の島国・アイスランドが魅せる映像美と音楽も本作の大きな魅力。

16mmフィルムで捉えられた映像には、海岸沿いに差し込む幻想的な陽の光、アイスランドを代表する近代建築であるハットルグリムス教会ハルパといった街並みが美しく映し出されている。さらに、主人公ウナの心情をより深く描き出すのは、『メッセージ』や『博士と彼女のセオリー』などで知られる作曲家ヨハン・ヨハンソンの楽曲「Odi et Amo」。2018年に逝去した北欧が誇る稀代の音楽家の楽曲が物語に深みを与えている。

ほとんど日の沈むことのないアイスランドの夏の一日が凝縮された80分間の物語。観る者は喪失から再生へと向かう「光」を目撃する。


STAFF

監督:ルーナ・ルーナソン(Rúnar Rúnarsson)
1977 年生まれ、アイスランド・レイキャビク出身。2011年、カンヌ国際映画祭監督週間に長編デビュー作『Volcano』が招待された後、多くの映画祭で上映され17の賞を受賞。2作目の長編 『Sparrows』(15)は、サン・セバスチャン国際映画祭での最優秀映画賞含む20の映画賞を受賞した。さらに、長編 3作目『Echo』はロカルノ国際映画祭でプレミア上映され、6つの映画賞を受賞。

短編映画でも高い評価を得ており、クロスロード 3 部作(『The Last Farm』/ 2006 年アカデミー賞ノミネート、『2 Birds』/ 2008 年カンヌ国際映画祭正式出品 およびヨーロッパ映画賞ノミネート、『Anna』/ カンヌ国際映画祭監督週間)は100 以上の国際的な賞を受賞している。

撮影:ソフィア・オルソン(Sophia Olson)
スウェーデン出身の女性撮影監督。『サーミの血』(アマンダ・シェーネル監督/17)やNetflixのドラマシリーズ『ザ・クラウン』の撮影監督を務める。『サーミの血』では 2017年ヨーテボリ国際映画祭で撮影賞を受賞。他にもスウェーデンのアカデミー賞にあたるグルドバッゲ賞の撮影賞やアイスランドのアカデミー賞にあたるエッダ賞の撮影賞に4度ノミネートされているなど、世界各国で評価されている。ルーナ・ルーナソン監督のアカデミー賞ノミネート短編作品『2birds』(08)など、ほぼすべての作品で撮影監督を務めている。

音楽:ヨハン・ヨハンソン(Jóhann Gunnar Jóhannsson)
アイスランド・レイキャビク出身の作曲家、プロデューサー。電子音とクラシックのオーケストラ・サウンドを融合させたヨハンソンの音楽は多様なジャンルの影響を受けている。映画音楽では、『ボーダーライン』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督/15)で米国アカデミー賞、英国アカデミー賞、放送映画批評家協会賞の作曲賞にノミネート。『博士と彼女のセオリー』(ジェームズ・マーシュ監督/14)ではゴールデン・グローブ最優秀作曲賞を受賞したほか、英国アカデミー賞、グラミー賞、放送映画批評家協会賞の作曲賞にノミネートされた。2018年に逝去。『突然、君がいなくなって』では既成曲「Odi et Amo」が用いられている。

【Information】
『突然、君がいなくなって』
6月20日(金)よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

監督・脚本:ルーナ・ルーナソン
音楽:ヨハン・ヨハンソン(『メッセージ』『博士と彼女のセオリー』)
出演:エリーン・ハットル、ミカエル・コーバー、カトラ・ニャルスドッティル、バルドゥル・エイナルソン、アゥグスト・ウィグム、グンナル・フラプン・クリスチャンソン
2024年/アイスランド=オランダ=クロアチア=フランス/アイスランド語/80 分/ビスタ/原題:Ljósbrot/英題:When the Light Breaks/PG12
配給:ビターズ・エンド 後援:アイスランド大使館

© Compass Films , Halibut , Revolver Amsterdam , MP Filmska Produkcija , Eaux Vives
Productions , Jour2Fête , The Party Film Sales

THE STYLE OF NORTH 編集部

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