フィンランドの物価は高い?旅行の滞在費とお得な節約術を解説
北欧は物価が高いというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか? たしかに、レストランやホテルは日本より割高ですが、ちょっとした工夫で出費を抑えながら、快適に旅を楽しむことは可能です。
この記事では、フィンランド旅行の主な費用(食費・交通費・宿泊費など)の目安と、現地で役立つ実践的な節約術をご紹介したいと思います。
フィンランドの物価はどれくらい?現地価格を解説

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まずは、フィンランドの物価水準を把握しておきましょう。フィンランドの通貨はユーロ(EUR)です。2025年8月時点では、1ユーロ=約170円。このところ、ユーロ高が続いています。この記事では、このレートを基準に円換算した価格を記載します。
※為替レートは変動します。あくまで目安として参考にしてください。
フィンランドの食費(レストラン・カフェ・スーパー)
カジュアルレストランのランチ/12〜20ユーロ(約2,040〜3,400円)
ヘルシンキ市内のカジュアルなレストランでは、平日のランチメニュー(Lounas)があります。「Lounas」はブッフェやセットメニューが定番で、料金は12〜15ユーロ程度が平均価格です。飲み物などを追加すると、20ユーロ近くになる場合もあります。
カフェで軽食/4〜12ユーロ(約1,190〜2,040円)
カフェでは、サンドイッチやワッフル、シナモンロールなどの軽食が4〜15ユーロほどで提供されています。たとえば、観光客が多いヘルシンキ市内中心部のカフェではサンドイッチが8ユーロ(約1,360円)程度でした。コーヒー1杯は3〜5ユーロ(約510〜850円)が一般的な価格です。
マクドナルド/6〜11ユーロ(約1,020〜1,870円)
フィンランドではマクドナルドの価格も日本より高めです。 たとえば、ヘルシンキ市内の店舗でビッグマックセットは9.65ユーロ(約1,640円)、チキンバーガーセットは5.95ユーロ(約1,012円) 程度です。日本のメニューとは異なる可能性がありますが、レストランでの食事よりは安く抑えられます。
※価格は店舗や時期によって変動します。
スーパーマーケット/1ユーロ〜(約170円~)
ヘルシンキ市内のスーパーマーケットも日本の物価の1.5〜2倍程度ですが、パンやチーズ、乳製品などは種類が豊富でおいしいものがたくさん見つかります。フィンランドのスーパーの平均価格は、ビール(500ml):2〜3ユーロ(約340〜510円) 、牛乳(1L):1,7~2.5ユーロ(約289〜425円)、パン(1斤):2〜4ユーロ(約340〜680円)程度です。
ちなみに、lidl(リドル)というドイツ系のスーパーマーケットは安い商品が多く、パンや飲み物など、1ユーロ程度~のものも豊富です。(ただし、品質はそれなりです)
フィンランドの交通費
ヘルシンキ市内の公共交通(トラム・バス・地下鉄・フェリーなど)
ヘルシンキ市内の公共交通機関はHSL(ヘルシンキ地域交通局)が運営しています。 HSLの公式アプリを使えば、チケットの購入、最適なルート検索、時刻表確認、遅延などの情報取得が簡単にできて便利です。(シングルチケット1回券:3.2ユーロ~(約544円) 1日乗車券(1~13日券):10ユーロ~(約1,700円)があり、3日以上の滞在には1日乗車券の購入がお得です。
HSL公式アプリは、現地についてからダウンロードするのがおすすめです。(日本のIPアドレスでは設定できない可能性があります)
https://www.hsl.fi/en/tickets-and-fares/hsl-app
フィンランドの長距離列車(VR)
フィンランド国内の長距離移動には国鉄(VR)がお得です。チケットは主要駅の発券機で購入可能ですが、事前に公式アプリやHPで購入するとスムーズです。乗車日の60日前からチケット予約が可能で、早めに予約すると割引価格が適用されます。
https://www.vr.fi/en
フィンランドの宿泊費(ホテル・ホステル・Airbnb)
フィンランドの中級ホテル(日本のビジネスホテルランク)は、1泊100〜150ユーロ(約17,000〜25,500円)程度で見つけることができます。少しでも安く滞在したい人は、ホステル1泊30〜50ユーロ(約5,100〜8,500円)の選択肢もあります。また、ドミトリー(相部屋)であれば、宿泊費を大幅に抑えられます。
ヘルシンキ市内のAirbnbは、最低価格1泊60〜100ユーロ(約10,200〜17,000円)程度ですが、中心部から少し離れると、より安価な物件が見つかります。なお、ホステル・ドミトリー・Airbnbは、セキュリティ状況をしっかり確認してから予約してください。
お得に滞在!フィンランド旅行の賢い節約術7選

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物価が高いといわれるフィンランドでも、ちょっとした工夫で旅行のコストを節約できます。ここでは、フィンランド旅行に役立つ節約テクニックをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
1. 自炊できる宿泊施設を利用する
海外旅行では宿泊費がかさみがちですよね。たとえば、1週間以上の滞在の場合、キッチン付きのアパートメントホテルやAirbnbを利用して自炊すれば、宿泊費はもちろん食費も安く済ませることができます。物価の高いフィンランドでは、朝食や夕食を自炊するだけでも、節約効果は大きいでしょう。
2. 平日ランチ「Lounas」とスーパーをフル活用する
フィンランドでの食事は、平日のランチメニュー「Lounas(ロウナス)=フィンランド語でランチの意味」を狙いましょう。ヘルシンキ市内では、ほとんどのレストランで11時頃から14時頃まで「Lounas」が提供されます。10ユーロ程度でサーモンやチキンなどのメイン+サラダ、パンなどが食べられるのでかなりお得です。
フィンランドでディナーの外食は、カジュアルなお店でも30ユーロ(約5,100円)以上になることがほとんどです。夕食を節約したい場合は、スーパーマーケット内のデリがおすすめです。
3. ヘルシンキカードで観光も交通もお得に楽しむ
美術館や博物館をたくさん回りたい、公共交通機関も頻繁に利用したい、という方にはヘルシンキカードがおすすめです。ヘルシンキカードは、アテネウム美術館、スオメンリンナ博物館など、ヘルシンキ市内の主要な観光スポットの入場料が無料になり、公共交通機関も乗り放題になるため、総合的なコストパフォーマンスが非常に高いです。価格は24時間カード:51ユーロ(約8,670円)~です。
https://www.helsinkicard.com/
4. 無料の観光スポットを巡る
ヘルシンキには無料で楽しめる観光スポットがたくさんあります。前述のヘルシンキカードを購入しなくても、教会や公園などは無料で観光することができます。
・ヘルシンキ大聖堂(Helsingin tuomiokirkko):外観を眺めるだけでも圧巻です。
・ウスペンスキー大聖堂(Uspenskin katedraali):その美しい外観は必見です。
・マーケット広場(Kauppatori):活気あふれる雰囲気を楽しめます。
・エスプラナーディ公園(Esplanadi):市民の憩いの場を散策しましょう。
・シベリウス公園(Sibeliuksen puisto):フィンランドを代表する作曲家の記念公園。モニュメントが人気です。
・カッリオ地区(Kallio):個性的なカフェやショップが並ぶ、ヘルシンキのローカルな雰囲気を満喫できます。
5. お土産はスーパー&マーケットで選ぶ
フィンランドを代表するマリメッコやイッタラといった有名ブランドは空港や百貨店で購入できますが、お土産としてはちょっと高価です。もう少し予算を抑えたいな~という方は、スーパーマーケットでムーミンのお菓子や、フィンランド名物のリコリス菓子・サルミアッキ(Salmiakki)などを購入するのがおすすめです。また、マーケット広場(Kauppatori)で、ハンドメイドの工芸品やジャムやお茶などの食品を探してみるのも◎。
6. 水筒を持参して、水は現地補給
夏の旅行では水分補給が欠かせません。フィンランドのスーパーマーケットやコンビニでミネラルウォーター(1.5L)を購入する場合、1.5ユーロ(約250円)ほどです。フィンランドの水道水は品質が良く美味しくて安全です。街歩きやアクティビティを予定している人は、空の水筒を持参してホテルなどで補給すれば、飲料代を節約できます。
7. 渡航シーズンをずらす
フィンランドは6~7月、12月がハイシーズンで、航空券や宿泊費がもっとも高くなります。旅費を抑えたいなら、夏休みやクリスマスのピークシーズンを避け、春や秋、冬季(1〜2月)に旅行を計画すると良いでしょう。オーロラが目当てなら冬は避けられませんが、観光客の少ない時期を狙うと安価なツアーが見つかることがあります。
フィンランド旅行はメリハリが大切!
せっかくのフィンランド旅行、「どこで節約するか」「どこにお金を使うか」のメリハリをつけて計画を立てると良いかもしれません。物価は日本よりもちょっと高いけれど、ぜひあなただけのフィンランドの旅を楽しんでください!