北欧の人はなぜ英語が堪能なのか?英語力が世界トップレベルの理由を詳しく解説

北欧出身の人と英語で話すと、その流暢さに驚く人も多いと思います。そこには「外国語を頑張って話している」という印象はなく、母国語と同じような感覚で英語を話しているように見えます。

実際に、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなどの北欧諸国は世界的に見ても英語力が非常に高い国として知られています。

では、なぜ北欧の人たちはこれほど英語が堪能なのでしょうか。今回は、北欧在住者の視点から、その理由を考察してみたいと思います。

北欧の英語力は世界でもトップレベル

北欧の人たちの英語力の高さは、単なる印象だけではなく、いくつかの統計データにも表れています。

たとえば、世界の英語力を測定する指標のひとつに、イー・エフ・エデュケーション・ファーストが毎年発表している「EF英語能力指数(EF EPI)」があります。この指数では、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドが、毎年のように上位(非常に高いレベル)にランクされています。

2025年 EF英語能力指数(EF EPI)ランキング表

2025年版 EF英語能力指数(EF EPI)

参照:EF英語能力指数(EF EPI)2025年版発表「日本人の国別英語力ランキング」は、世界96位、“話す・書く力”が主要課題。

実際に北欧では、若者から年配の人まで、英語で自然に会話する光景をよく目にします。彼らにとって英語は特別なスキルというより、生活の中で当たり前に使われる言語のように感じられます。

北欧の人が英語が堪能な理由とは

北欧の人たちが世界的に見ても英語力が高い理由。その背景には、社会構造や言語の成り立ち、文化、教育など、いくつもの要素が重なっています。その理由を見ていきましょう。

理由1:英語と似ている言語だから

言語学的な観点で考えると、スウェーデン語、デンマーク語、ノルウェー語は、英語と同じ「ゲルマン語派」という共通のルーツを持っています。語彙の一部が似ていたり、文法の構造に共通点があったりするので、英語を習得する際のハードルが低いと言われています。

たとえば、英語の “house(家)” はスウェーデン語で “hus”、”book(本)” は “bok”、”summer(夏)” は “sommar” と、スペルが非常によく似ています(発音は異なるが、似ている単語も多い)。

日本人が漢字を使う中国語にどこか親近感を覚えるように、北欧の人にとって英語は完全に異なる言語というより、“親戚”のような言語と感じるのかもしれません。

補足:フィンランド語は系統が異なる

ちなみに、フィンランド語はウラル語族に属し、ゲルマン語派とは語源的なつながりがありません。それでもフィンランドは「EF英語能力指数」で常に上位なので、言語的な近さは英語力を高める一因であっても、決定的な理由とは言い切れないようです。

理由2:字幕文化があるから

北欧では、海外(英語圏)の映画やドラマ、ニュースなどを吹き替えではなく字幕で観るのが一般的です。子どもたちは学校で英語を学び始める前から、アメリカやイギリスの映像を通して、ネイティブの発音や会話に触れる機会が多くあります。それによって自然とリスニング力や発音の土台が作られているのかもしれません。

ちなみに、北欧では英語音声に英語字幕が表示されることが多くあります。これは語学学習のためというより、移民や聴覚障害者への配慮の一環ですが、結果として英語を自然に聞いて、理解するための環境が生まれています。

理由3:実践的な英語教育が行われているから

北欧の英語教育では、文法や単語の暗記よりも、実際に使えるかどうかが重視されています。学校では、英語でのディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションなどの時間も多く、学んだ表現をその場で使う機会があります。

また、高校や大学レベルになると、教科書が英語の場合や、講義そのものが英語で行われることも珍しくありません。英語はテストのための科目というより、日常のコミュニケーションで使うものとして捉えられています。

理由4:人口が少なく海外進出が不可欠だから

北欧の国々は総じて人口が少なく、国内マーケットも大きくありません。そのため、ビジネスや研究、文化・芸術活動など多くの分野で、海外進出を前提とした社会構造が形成されています。

たとえばIT分野では、スウェーデンの「Spotify」やノルウェーの「Kahoot!」など、世界で利用されるサービスが数多く生まれています。このように、北欧発のビジネスは創業から海外ユーザーも対象にしているため、英語でのコミュニケーションが不可欠です。
>> Kahoot!(カフート)の使い方・クイズの作り方【完全ガイド】

理由5:学校や職場が多国籍だから

北欧の大学や企業では、海外からの留学生や専門人材が多く働いています。多国籍の人が集まる環境では、共通言語として英語が使われることが自然です。

また、1990年代以降は移民や海外留学生の受け入れが進み、社会の多様化も急速に進みました。さまざまな国の人々が一緒に勉強し、働くようになると、英語を使う機会も自然と増えます。その結果、教科書的な英語だけでなく、日常会話を通して生きた英語を身につけることにつながっているのだと思います。

北欧の英語力を実感する場面は?

北欧の人々の高い英語力は、日常生活やエンタメなど、さまざまな場面で感じることができます。ここでは、現地で感じることをシェアします。

ハリウッド映画で活躍する北欧俳優が多い

北欧、特にスウェーデンやデンマーク出身の俳優たちは、アメリカやイギリスの映画やドラマなど、世界的に活躍しています。

たとえば、ステラン・スカルスガルド、マッツ・ミケルセン、アリシア・ヴィキャンデル、レベッカ・ファーガソンといった北欧を代表する俳優たちは、ハリウッドの大作映画やイギリス作品でも主役級の役柄を演じ、アカデミー賞を受賞するなど国際的な評価を得ています。

英語で演じることや感情を表現することは、彼らにとってそれほど難しいことではないのかもしれません。

観光や日常生活で英語が普通に通じる

北欧では、空港や観光地だけでなく、街中のカフェやスーパーなどの日常的な場所でも英語が通じます。都市部では英語だけで生活することも十分可能です。こうした環境のため、旅行者にとって過ごしやすい地域と言われています。

また、近年では、高校や大学の交換留学先として、海外の学生にも人気が高まっています。実際に留学生からは、日常生活の中で英語を使う機会が多く、実践的なスキルを身につけやすいという声も聞きます。

北欧英語にはどんな特徴がある?

北欧英語はイギリス英語に近い

北欧の英語は、歴史的にはイギリス英語の影響を受けています。地理的な近さもあり、学校などではイギリス式の発音やスペルが基本として教えられてきました。そのため、年配の方ほどイギリス英語に近い発音や語彙を使う傾向あると感じます。

一方で近年は、アメリカの映画やドラマ、YouTubeやSNSなどの影響も大きくなっているため、若い世代ではアメリカ英語を使う人も増えている印象です。

北欧英語は聞き取りやすい

北欧の人たちが話す英語は、ノンネイティブの英語の中でかなり聞き取りやすいと言われます。これは、北欧の各言語の発音が英語と似ていることや、学校教育で発音を正確に学ぶことが関係しているのだと思います。

また、北欧の人たちは英語を話すとき、単語を比較的はっきりと発音する傾向があります。アメリカ英語のように音が連結したり、弱くなったりすること(リエゾンや音の脱落)が比較的少ないので(個人差はあります)、英語を第二言語として学ぶ日本人にとっても、聞き取りやすいと感じると思います。

Before You Go…

いかがでしたか? 北欧の人たちの英語力が高い理由は、言語の類似性というアドバンテージに加えて、英語が生活の一部として定着しているためだと考えられます。私たちもスコアアップに執着するのではなく、まずは英語に触れることから始めてみるのが良いかもしれません。

※本記事の内容は、筆者個人の見解や体験に基づいています。内容の正確性には配慮しておりますが、あくまで一つの参考情報としてご覧いただければ幸いです。

THE STYLE OF NORTH 編集部

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