フィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベックを描く映画『魂のまなざし』が日本公開

モダニズムを代表する画家の一人として、近年世界的に注目されるフィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベック(Helene Schjerfbeck)。その生誕160年を記念して、彼女の終生の愛と友情の物語を描いた映画 『魂のまなざし』 が2022年7月15日より、日本で公開されることが決定しました。

映画『魂のまなざし』場面写真

映画『魂のまなざし』より  (C)Finland Cinematic

ヘレン・シャルフベック(1862–1946)は、フィンランドでもっとも敬愛されるモダニズム画家。その時代を超越した驚くべき現代性から、近年において世界的な再評価が進み、2015年には日本で初の回顧展『ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし』、2019年にはイギリスの国立ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで展覧会が開催されました。

本作『魂のまなざし』が焦点を当てるのは、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代。抑圧的な家庭や男性社会に臆せず、名誉よりも内から湧き出る情熱に従うシャルフベックの姿が、北欧の透明な光に輝く自然や街並みとともに全編美しい映像で描かれています。

映画『魂のまなざし』場面写真

映画『魂のまなざし』より  (C)Finland Cinematic

画家として、女性として、一人の人間として自律的に生きるシャルフベックを演じるのは、第63回ベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞を受賞したフィンランドの女優ラウラ・ビルン(Laura Birn)。

監督はビヨンセやセリーヌ・ディオン、ケリー・クラークソン、久保田利伸など数々のミュージック・ビデオを手掛けてきたアンティ・ヨキネン(Antti Jokinen)です。アンティ・ヨキネンの監督2作目『Purge』(2012)は、本作と同じくラウラ・ビルンを主演に起用し、第85回アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表に選ばれています。

映画『魂のまなざし』場面写真

映画『魂のまなざし』より  (C)Finland Cinematic

■ストーリー
1915年、ヘレン・シャルフベックは高齢の母親とともに田舎で暮らす、いわば忘れられた画家だった。それでもヘレンは湧き出てくる情熱のためだけに絵を描き続けていた。すべてが変わったのは、ある画商が彼女が描き溜めていた159点の作品を発見し、大規模な個展開催に向けて動き出したからだ。しかし、ヘレンの人生の最大の転機は、その画商が紹介した19歳年下の青年エイナル・ロイターとの出会いによってもたらされるのだった……。

シャルフベックはロシア帝国の支配下にあったフィンランドに生まれ、祖国の独立と内戦を経て封建的な世界が崩壊していく過程と歩調を合わせるように自律的に生きていきます。抑圧的な母親や男性社会に臆せず、栄光よりも内から湧き出る情熱に従い、どん底にあってもやがて立ち上がって背筋を伸ばし歩んでいくーー。

そんな凛としたシャルフベックの姿を、北欧の美しい自然とともに映し出した本作は本国フィンランドでも大ヒットした珠玉作です。ぜひ劇場でご鑑賞ください。

映画『魂のまなざし』

【Information】
『魂のまなざし』
監督:アンティ・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン、ヨハンネス・ホロパイネン、クリスタ・コソネン、エーロ・アホ、ピルッコ・サイシオ、ヤルッコ・ラフティ
字幕:林かんな/原題:HELENE/2020年/フィンランド・エストニア/122分
配給:オンリー・ハーツ 後援:フィンランド大使館 応援:求龍堂
(C)Finland Cinematic
2022年7月15日(金)Bunkamuraル・シネマ他にて順次公開
日本オフィシャルサイト:http://helene.onlyhearts.co.jp

洋画を観るなら「ザ・シネマ メンバーズ
月額880円(税込)で好きな時に好きな場所で映画が楽しめる!
「ザ・シネマメンバーズ」では、ミニシアターや単館系作品を中心に、大手配信サービスでは観られない厳選された洋画作品をお届け。ダウンロードすればインターネット接続なしで視聴も可能。外出先や移動中など、いつでもどこでもコンテンツを楽しめます♪ 詳細はこちらでチェックを!
※作品によりダウンロードができない場合もあり

THE STYLE OF NORTH 編集部

北欧の最新情報を発信するウェブマガジン。 現地在住スタッフが北欧各国から旬の情報をお届けします。 公式YouTube&インスタグラム(@thestyleof...

プロフィール

PICK UP ARTICLES

You Might Also Like…