意外と知らない北欧のイースター|魔女・切り絵・巨大チョコ… 5か国の違いとは?

長い冬の後、北欧の人たちが楽しみにしている春の行事が「イースター(復活祭)」です。日本ではあまり馴染みのないイースターですが、北欧ではクリスマスと並ぶ重要な祭事のひとつです。

この記事では、北欧5か国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド)のイースターの伝統と食文化を解説します。

北欧のイースター(復活祭)とは?

イースター(復活祭)は、イエス・キリストが処刑されてから3日後に復活したという”復活の奇跡”を祝う日です。

毎年日付が変わる「移動祝祭日」で、春分後の満月の次の日曜日(イースターサンデー)に祝います。北欧では、この日曜日だけでなく、その前後を含めた約1週間が休暇(イースターホリデー)になることが一般的です。

2026年のイースターサンデーは、4月5日です。

この時期になると、お店や目抜き通り、各家庭では黄色の羽根や装飾、うさぎ(イースターバニー)、イースターエッグなどで彩られます。イースターは宗教行事としてだけではなく、春の訪れを祝う季節行事としても親しまれています。

北欧各国のイースターの祝い方は?

同じ「北欧」でも、国によってお祝いの仕方はさまざまです。共通する伝統もあれば、その国ならではのユニークな風習もあります。北欧5か国それぞれのイースターの祝い方を紹介します。

デンマーク:切り絵の手紙とスモーブローを楽しむ

デンマークの切り絵の手紙「Gækkebrev(ゲッケブレウ)」

デンマークの切り絵の手紙「Gækkebrev(ゲッケブレウ)」 Image Created by THE STYLE OF NORTH

・風習
デンマークのイースターでは、ユニークな「Gækkebrev(ゲッケブレウ)」という切り絵の手紙を送る風習があります。「Gække(からかう)」と「Brev(手紙)」が語源です。

差出人は名前を伏せて、自分の名前と同じ数の「・(ドット)」を署名にして手紙を送ります。受け取った人が「これは〇〇さんからの手紙だ」と見破ったら、送り主の負けとなり、ペナルティとしてチョコレートエッグを贈らなければなりません。

・食文化
「Påskefrokost(ポースケフロコスト)」と呼ばれるちょっと豪華なイースターランチを家族や友人と楽しみます。ライ麦パンにニシンの酢漬けや卵、ジャガイモなどをのせたオープンサンドイッチ「Smørrebrød(スモーブロー)」が主役で、子羊のローストが登場することもあります。

また、この時期限定のアルコール度数が高いイースタービール「Påskebryg(ポースケブリュ)」や、ハーブの蒸留酒「Snaps(スナプス)」を料理に合わせて楽しむのが定番のスタイルです。

スウェーデン:魔女の仮装とブッフェを楽しむ

魔女に扮した子供たち「Påskkärring(ポスクシェリング)」

「Påskkärring(ポスクシェリング)」に扮したスウェーデンの子供たち Image Created by THE STYLE OF NORTH

・風習
スウェーデンでは、子供たちが仮装を楽しむ伝統行事があります。「イースターに魔女が青い丘へ飛んでいく」という古い言い伝えに由来し、子供たちは頬に赤いチークとそばかすを描き、スカーフを巻いた魔女の姿「Påskkärring(ポスクシェリング)」に仮装します。家々を訪ねて絵やカードを渡し、お菓子をもらう習慣で、ハロウィンに似た雰囲気があります。

・食文化
ニシンのマリネやサーモン、ミートボールなどを並べた伝統的なブッフェ「Smörgåsbord(スモーガスボード)」が用意されます。飲み物は、コーラに似たスパイス風味の炭酸飲料「Påskmust(ポスクムスト)」がよく飲まれます。

また、子供たちの最大の楽しみは、卵型の容器に詰められた「Godis(ゴーディス)」と呼ばれるお菓子です。スウェーデンではイースター期間だけで数千トンものお菓子が消費されると言われており、この時期はスーパーの棚がカラフルな「Godis」で埋め尽くされます。

ノルウェー:スキーとミステリーを楽しむ

ノルウェーの山小屋ヒュッテ(Hytte)

ノルウェーの山小屋ヒュッテ(Hytte)のイメージ Image Created by THE STYLE OF NORTH

・風習
ノルウェーでは、「ヒュッテ」と呼ばれる山小屋へ行き、スキーを楽しむのが王道スタイルです。また、「Påskekrim(ポスケクリム)」という犯罪小説やミステリードラマを楽しむ風習もあります。1923年に出版された推理小説の広告キャンペーンがきっかけで広まり、現在ではテレビやラジオで特別番組が放送されるだけでなく、牛乳パックにまでミステリークイズが掲載されるほど、国を挙げたミステリーシーズンとなります。

・食文化
イースターの夕食(特に土曜日)には、ハーブで香りづけしたラム肉のローストが振る舞われます。ニンニクやローズマリーで風味をつけ、低温でじっくり焼き上げた肉に、茹でたジャガイモ、蒸し野菜、そして濃厚なグレービーソースを添えるのが伝統的なスタイルです。

フィンランド:魔女の仮装と黒いお菓子を楽しむ

フィンランドの伝統菓子「Mämmi(マンミ)」

フィンランドの伝統スイーツ「Mämmi(マンミ)」 Image Created by THE STYLE OF NORTH

・風習
フィンランドもスウェーデンと同様に、子供たちが魔女の仮装をして近所を回る「Virpominen(ヴィルポミネン)」という風習があります。カラフルな衣装を着た子供たちが、羽やリボンで飾りつけた柳の枝を持って家々を回ります。「あなたの健康を祈ります」といった祝福の呪文とともにその枝を渡すと、お返しにイースターエッグやキャンディ、チョコレートなどをもらえます。

・食文化
フィンランドのイースターを象徴するのは、「Mämmi(マンミ)」というデザートです。ライ麦粉やライ麦の麦芽を混ぜて練り上げ、オーブンで数時間じっくり焼き上げたもので、見た目は餡子のような、黒に近い濃い茶色のペーストです。独特の食感と香ばしさがあり、生クリームや牛乳をかけて食べるのが定番です。また、ロシア正教の影響を受けたカレリア地方発祥のデザート「Pasha(パスハ)」も、この時期によく食べられます。

アイスランド:巨大チョコレートエッグとことわざを楽しむ

アイスランドの「Páskaegg(パスカエッグ)」

「Páskaegg(パスカエッグ)」のイメージ Image Created by THE STYLE OF NORTH

・風習
アイスランドでは新しい命の象徴として、「Páskaegg(パスカエッグ)」という巨大な卵型のチョコレートを贈る風習があります。サイズは小ぶりなものから人の頭を超える特大サイズまで幅広く、中にはたっぷりのお菓子と一緒に、アイスランド語の格言やことわざが書かれた紙が入っています。この格言が今年の運勢や人生の指針になると信じられており、家族や友人とその内容について話すのが、アイスランド流の楽しみ方です。

・食文化
アイスランドでもイースター当日のディナーはラム肉のローストです。味付けは家庭によって異なりますが、砂糖でキャラメリゼした甘いジャガイモやグリーンピースなどを付け合わせに、ペッパーソースやルバーブジャムなどを添えます。人気のイースターデザートは「スキールケーキ(Skyr cake)」。アイスランドの定番乳製品「Skyr」を使ったチーズケーキ風のヘルシーなケーキで、イースター以外でもよく食べられる定番スイーツです。

木曜以降は要注意! 北欧のイースター期間の過ごし方

いかがでしたか? イースターの時期に北欧を訪れると、カラフルな街並みと賑やかな雰囲気を楽しめます。

ただし、北欧のイースター期間は、特に木曜〜月曜にかけて多くの施設、スーパー、飲食店などが休業、または時短営業となるため、街全体が静かになります。

  • 木(聖木曜日)
  • 金(グッドフライデー)
  • 日(イースター)
  • 月(イースターマンデー)

が祝日扱いとなるため、月曜まで休みが続くのが一般的です。

食料やお酒、日用品、薬などは、水曜日までに準備しておかないと入手が難しく、外食や買い物がかなり制限されます。さらに交通機関も減便されることがあるため、スケジュールを事前に確認しておくことが重要です。

少し不便もありますが、計画的に動いて、ぜひ北欧のイースターの雰囲気を楽しんでください!

※掲載画像は実際の内容を参照したイメージです。

THE STYLE OF NORTH 編集部

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