北欧でチップ不要は嘘?北欧の最新チップ事情を現地スタッフが解説

海外旅行で多くの人が悩むポイントの一つが「チップ」ではないでしょうか。アメリカとは異なり、北欧はチップ不要と思われることが多いようです。確かに以前は、北欧にチップの習慣はありませんでした。しかし、近年はチップを支払うのがマナーとされる場面が増えています。

この記事では、北欧における最新のチップ事情とチップが必要になるシーンについて、北欧在住のスタッフが解説します。北欧旅行を安心して楽しむために、ぜひ参考にしてください。

北欧では基本チップ不要、しかし「払うとスマート」な場面も

デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドといった北欧諸国では、チップは原則として不要な場合がほとんどです。北欧も日本と同様に、サービス料があらかじめ料金に含まれていることが一般的だからです。従業員の給与もチップには依存しておらず、カジュアルなレストランやカフェ、セルフサービスの店などではチップを支払う必要はありません。

しかし最近は、都市部を中心に特定のサービスに対してチップを払う人が増えています。海外からの観光客の増加やキャッシュレス決済の普及により、海外のチップ文化が持ち込まれるようになったことが一因と考えられています。

では、北欧ではどんな場面でチップが必要になるのでしょうか。具体的に説明していきます。

北欧でチップが必要になるシーン

北欧のレストランで会計をする女性

1. フォーマルなレストランやバー

ドレスコードのあるようなフォーマルなレストランやバーでは、サービスに対する感謝の気持ちとしてチップを渡す人が増えています。

ドレスコードがないお店でも、店員が素晴らしいサービスをしてくれた、良い席を用意してくれた、アレルギーに対してきめ細かく丁寧に対応してくれた場合など、期待を上回るサービスがあったときには、チップを渡すとスマートな振る舞いと見なされます。また、欧米の観光客が多く利用するお店でも、国際的なチップの習慣から、チップを渡す人が多い傾向があります。

2. ホテル

ホテルのサービスに対しては、基本的にチップは不要です。ほとんどの場合、サービス料は宿泊費に含まれています。ただし、ベルボーイが複数の重い荷物を部屋まで運んでくれたり、コンシェルジュがレストランの予約やツアーの手配をしてくれたりなど、特別なサービスを受けた場合には、感謝の気持ちとして少額のチップを渡す人もいます。通常の宿泊では、チップを払わなくても問題ありません。

3. タクシー

タクシーも基本的にチップ不要ですが、荷物がかなり多い場合(重いスーツケースを何個も積み込んでもらったなど)や、フライトの時間に間に合うように無理をしてくれた場合など、プラスαのサービスを受けた際には、合計金額に少額のチップを上乗せして支払う人もいます。

しかし、観光客をターゲットにした“ぼったくりドライバー”も存在するので、気を遣ってチップを払うようなことはしなくて良いでしょう。

4. ツアーガイド

基本的にはチップ不要ですが、ガイドや運転手が期待をはるかに超える素晴らしい体験を提供してくれた場合など、感謝の気持ちとしてチップを渡す人もいます。その場合、ツアーの終了後に現金で渡すことが多いですが、国内在住の観光客などはモバイル決済アプリを通じて送金する人もいます。

北欧でのチップの渡し方と金額の目安は?

ポイント1:北欧はキャッシュレスが基本!チップはカードで払う

北欧の多くのお店ではキャッシュレス決済が主流です。そのため、チップも現金ではなく、クレジットカードやデビットカードで支払うのが一般的な方法です。

お会計の際、支払い端末にチップの選択肢が自動で表示されたり、自分で金額を入力する画面が出てきたりします。画面の指示に従って希望の金額(または割合)を入力すればOK。無理に現金で渡そうとすると、お店の人をかえって困惑させてしまう可能性もあるので注意してください。

ごく稀に現金払いのシチュエーションがあった場合は、お会の後にテーブルに現金を残すか、直接スタッフに手渡す方法があります。または会計時に「Keep the change.(お釣りは取っておいてください)」と伝えると良いでしょう。

ポイント2:北欧のチップは10%が目安

北欧ではチップの金額に明確なルールはありません。あくまで「感謝の気持ち」を示すものなので、無理に高額なチップを渡す必要はありません。例えば、レストランやバーなどでは飲食代の10%程度が目安とされています。お店の格式や店員のサービスによって多少増減しても問題ありません。

「チップは不要」というイメージが強い北欧ですが、近年は状況が変化しています。特にフォーマルなレストランや5つ星ホテル内のレストラン・バー・カフェ、また欧米の観光客が多い店などでは、チップを渡すのが当たり前となってきています。場所や状況に応じて、「心付け」としてチップを検討してみると良いでしょう。

THE STYLE OF NORTH 編集部

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