北欧の夏は暑い?涼しい?北欧旅行の前に知っておきたい気候と服装の話

北国のイメージが強い北欧ですが、6月後半〜8月前半は日照時間が長く、爽やかな気候のベストシーズンです。とりわけ夏至前後には、北極圏に近い地域で太陽が沈まない「白夜」を体験できるなど、この時期ならではの魅力に溢れています。

しかし、日本の夏と同じ感覚で訪れると、気温や湿度の違いに戸惑うかもしれません。北欧の夏は朝晩の寒暖差が大きく、天候も変わりやすいため、服装選びが重要です。

今回は、北欧5か国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・アイスランド)の夏の気候とおすすめの服装を、現地在住者の視点でお伝えします。

※なお、各地の平均気温は日本の気象庁と現地の公式発表を参考にしていますが、近年は最高気温が例年より高い傾向があります。参考としてご覧ください。

デンマークの夏(コペンハーゲン)

Nyhavn Copenhagen
Photo by THE STYLE OF NORTH
  • 平均気温:6月 14〜20℃/7月 17〜24℃/8月 18〜25℃
  • 気候の特徴:デンマークは北欧の中で一番温暖だと言われます。日中は穏やかで過ごしやすいですが、コペンハーゲンは海に面しているため、北海からの風が強く、体感温度が実際よりも低く感じられる日があります。夏の日照時間は長く、夜も22時頃まで明るいため、屋外での活動を長時間楽しむことができます。ただし、雨の日が多いので、急な天気の変化に注意が必要です。コペンハーゲンは平均降水量が比較的多い都市なので、雨具の準備は必須と言えるでしょう。
 

おすすめの服装:晴れた日中は半袖で過ごせますが、朝夕は薄手の羽織があると安心です。たとえば、さっと羽織れるカーディガンや薄手のフリースなど、体温調整しやすいアイテムを持っていると重宝します。街中は石畳が多いため、歩き慣れたスニーカーが最適です。(現地在住スタッフK)

 

スウェーデンの夏(ストックホルム)

Photo by Bruno
  • 平均気温:6月 14〜19℃/7月 17〜25℃/8月 15〜23℃
  • 気候の特徴:ストックホルムの夏は湿度が低く、カラッとした過ごしやすい気候です。ただし、朝晩は夏でも10℃台前半まで下がることがあるので、重ね着できるアウターを用意しておきましょう。日没は22時頃、翌4時頃には明るくなります。北部ではさらに日照時間が長く、夏至の頃は一日中、太陽が沈まないことも。ストックホルムは晴れの日が多く、比較的雨が少なめですが、突然にわか雨が降ることもあります。
 

おすすめの服装:体温調節できるウィンドブレーカーや薄手のジャケットが必須です。急な雨もあるので、雨具があると重宝します。スウェーデンでは、小雨の場合は傘をささない人が多いので、撥水性の軽アウターがおすすめ。また、シンプルで洗練されたファッションを好む人が多いです。あまり華美でない服装が好印象だと思います。(現地在住スタッフT)

 

フィンランドの夏(ヘルシンキ)

ヘルシンキ大聖堂
Photo by onedayinacity.com
  • 平均気温:6月 15〜20℃/7月 18〜23℃/8月 16〜21℃
  • 気候の特徴:ヘルシンキは夏の軽井沢のように湿度が低く快適な気候です。夏の平均気温は25℃以下のことが多いですが、最近は30℃近くになる日も増えています。服装は日本の春~初夏をイメージすると良いでしょう。また、曇りの日が多めで、夏は降水量も多くなります。南海岸のヘルシンキは完全な白夜にはなりませんが、日没は23時頃、数時間後にはまた明るくなります。
 

おすすめの服装:晴れた日中はTシャツ1枚で問題ありませんが、朝晩や日差しのない日は肌寒く感じるため、長袖シャツやカーディガンが必須アイテムです。また、日差しが非常に強いため、サングラスと日焼け止めも忘れずに。現地の人はカジュアルな服装を好む傾向があるので、派手さを抑えたコーディネートがおすすめです。(現地在住スタッフM)

 

ノルウェーの夏(オスロ+フィヨルド)

Deichman Bjørvika 外観
Photo by THE STYLE OF NORTH
  • 平均気温:6月 14〜20℃/7月 16〜23℃/8月 14〜20℃
  • 気候の特徴:ノルウェーは北極圏を除き、メキシコ暖流の影響で一年を通して比較的温暖です。夏のオスロは日本の春~初夏に近い快適な気候ですが、真夏は28℃以上になる日もあります。Tシャツで過ごせる気温ですが、朝晩はかなり冷え込むことがあるので、上着を持参しましょう。また、フィヨルドや山岳地帯では、急な冷え込みや風雨に晒される可能性があるため、軽装は避けてください。
 

おすすめの服装:オスロでは半袖+軽アウターがあれば快適に過ごせます。フィヨルド観光を予定している方は、防風性・保温性の高いアウターを用意しておくと安心です。その他、アウトドアのアクティビティでは、レインジャケット、トレッキングシューズ、厚手のソックス、帽子などを用意しておくと安心です。ノルウェーのハイキングコースや山道は、整備されていても岩場があったり、ぬかるんでいたりします。(現地在住スタッフM・K)

 

アイスランドの夏(レイキャビク)

Photo by Reykjavik South Coast Tour
  • 平均気温:6月 9〜14℃/7月 11〜15℃/8月 10〜14℃
  • 気候の特徴:偏西風の強いアイスランドの夏は、他の北欧諸国と比べてもかなり涼しく、風も強いため、体感温度が低く感じられます。内陸部や高地に行くと寒さが強まることがあり、夏でも秋~初冬のような服装が必要になる日があります。日照時間が長く、夏至の時期には白夜が見られますが、天気が変わりやすく、一日に四季があるとも言われるほどです。
 

おすすめの服装:夏でも薄手のダウンジャケットやウインドブレーカーが必要です。特にアウトドアを予定している方は、防水・防風・保温性のあるアウターは必携。観光名所の多くが自然の中にあり、足場が悪い場所もあるため、トレッキングシューズがあると安心です。また、急な雨や霧に備えてフード付きのレインウェアも役立ちます。レイキャビク市内は、Tシャツなどカジュアルかつ実用的な服装の人が多いです。(現地在住スタッフR)

 

 

北欧旅行におすすめの服装とあると便利なアイテム(共通編)

以下は、北欧のどの国でも共通する「基本の服装と便利アイテム」です。寒暖差や天気の変化に備えて用意しておくと安心です。現地に到着してから慌てないように、事前にチェックしておきましょう!

  • カーディガン/薄手のジャケット/ウルトラライトダウン:朝晩の冷え込み対策や、室内での冷房対策に有効です。
  • ウィンドブレーカーレインコート: 北欧では傘をささない人が多いので、さっと羽織れて、防水に優れた素材を選ぶと重宝します。
  • 歩きやすいスニーカー:北欧は石畳や未舗装の道が多いため、クッション性があり、滑りにくいスニーカーが必須です。
  • 薄手のストール: 防寒だけでなく、日焼け対策にも使えます。
  • 帽子サングラス: 日中の強い日差し・紫外線対策として、あると便利です。日本よりも日差しが強く感じられることがあります。
  • 日焼け止め: 日照時間が非常に長いため、曇りの日でも紫外線対策は怠らないようにしましょう。
  • 折りたたみ傘:北欧では傘をさす人が少ないですが、最近はゲリラ豪雨があるため、大雨対策として、持っていても良いでしょう。

まとめ|気温の変化に強い服装で、夏の北欧を満喫しよう

北欧の夏の服装はこんな感じ Image by THE STYLE OF NORTH

北欧の夏は日本とは異なり、湿度が低く快適です。しかし、地域によっては日中に30℃近くまで気温が上がることもあり、寒暖差に対応できる服装が必須となります。また、夏は街歩き、自然観光、レストランでの食事など、旅のシーンが多岐にわたるため、さまざまな場面に対応できる汎用性の高い服装を選ぶのが鍵です。

特にアイスランドやノルウェーのネイチャーエリアを訪れる場合は、しっかりとした防寒対策が欠かせません。これらの地域は、夏でも気温が低く、風が強いため体感温度が下がります。

また、北欧では、一般的に日本よりも控えめでシンプルなファッションが好まれます。女性の夏の定番はワンピースやデニム、男性はTシャツやショートパンツですが、華美なものよりもシンプルで機能的なスタイルが主流です。

出発前には、必ず訪れる国や地域の最新の天気予報を確認してください。万全の準備で、夏の北欧旅行を存分にお楽しみください!

THE STYLE OF NORTH 編集部

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