北欧旅行前に必読!新入国システム「EES」とイミグレで聞かれる定番質問と回答例
もうすぐ日本ではゴールデンウィークが始まりますね。この時期に海外旅行へ行かれる方も多いと思います。海外旅行の楽しさをフルに味わうには、目的地へスムーズに入国できることが大前提です。
そこで今回は、海外渡航前に確認しておきたいイミグレでの基本対応と、2026年4月からヨーロッパで本格稼働した新システム「EES」について、くわしく解説します。
そもそもイミグレって何?
「イミグレ」とは、英語のImmigration(イミグレーション)を略した言葉で、出入国審査・出入国管理のことを指します。海外旅行の際、日本を出国するときと目的の国に入国するとき、そして帰国するときの計3回以上、このイミグレを通過することになります。
入国審査では、パスポートやビザ(査証)の提示を求められるほか、審査官から質問される場合があります。滞在の目的、期間、宿泊先などを答えられるよう、あらかじめ準備しておくと安心です。
新ルール:北欧旅行では「EES」登録が必要に
北欧を含むヨーロッパ旅行を計画している方にとって、渡航前に確認しておきたい重要なルール変更があります。EUが導入した新しい出入国管理の仕組み「EES(出入域システム)」です。
EESとは?
EES(Entry/Exit System)は、EU(欧州連合)が導入した新しいデジタル出入国管理システムです。
EESは2025年10月から段階的な導入が始まり、2026年4月10日に北欧を含むシェンゲン協定加盟国で本格運用が開始されました。これにより、これまで入国審査官が手作業で行っていたパスポートへのスタンプ押印が廃止され、出入国データをデジタルで一元管理する仕組みに移行しています。
日本を含む非EU加盟国からの渡航者全員が対象となり、入国時に以下の生体情報がデジタル収集・登録されます。
- パスポート情報(氏名、生年月日、旅券番号など)
- 顔写真
- 指紋(12歳未満は対象外)
- 入出国の日付と場所
- 入国拒否の有無
初回入国時にこれらのデータを登録するため、システム導入直後の現在は通常より審査に時間がかかる傾向があります。乗り継ぎや入国後すぐに予定がある方は時間に余裕を持って行動しましょう。
EESの対象国は、シェンゲン協定加盟国を中心とする29か国(アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、ルーマニア)です。
具体的に何が変わる?入国審査の流れ
「EES」の導入により、入国審査の手順が一部デジタル化されています。2026年4月10日以降の空港での具体的な流れは以下の通りです。

①キオスク端末の操作:入国審査ブースの手前に設置された専用のキオスク端末へ向かいます。ほとんどの端末で日本語表示が可能です。
②パスポートのスキャン:パスポートの写真ページを端末に読み込ませます。
③顔写真の撮影:画面の指示に従い、カメラで顔を撮影します(眼鏡や帽子は外します)。
④指紋のスキャン:画面の指示に従い、指をスキャナーに乗せて読み取らせます。
⑤質問に回答(※):画面上で「滞在日数」や「目的」を選択肢から選んで入力します。
※国によって質問がない場合もあります
⑥審査官による入国審査:端末の操作が終わったら、審査官による入国審査へと進みます。
補足:
日本国のパスポートは生体認証対応(ICチップ入り)なので、多くの場合はキオスク端末でスキャン手続き可能ですが、生体認証パスポートを持っていない場合は、有人カウンターで手続きを行う必要があります。
なお、指紋の登録や顔写真の撮影を拒否した場合は、EESを導入している欧州諸国に入国できません。生体情報の登録は入国の必須条件のため、拒否することはできません。
誤解に注意!「審査官による入国審査」はなくなりません
EESについては、少し誤解をされている方もいるようです。「端末でデジタル登録するから、審査官とのやり取りは不要」というのは間違いです。
EESはあくまで入国記録のデジタル化であり、入国の許可を出すのは人間の審査官です。そのため、キオスク端末での登録やスキャンが終わったら、必ず審査官のいるブースへ進み、最終的な入国審査を受ける必要があります。
イミグレ(入国審査)で聞かれる定番質問と答え方
北欧の審査官は比較的穏やかな人が多いですが、たまーに意地悪な人もいますので、質問への回答を準備しておきましょう。北欧のイミグレ(入国審査)での会話は基本的に英語です。聞かれる質問はシンプルなので、英会話が心配な方でも以下の4点を押さえておけば安心です。
① 滞在の目的
Q:What’s the purpose of your visit? (訪問の目的は何ですか?)
- Sightseeing. (観光です)
- Vacation. (休暇です)
滞在の目的を聞かれた場合、このような回答で十分に伝わります。「オーロラを見に来た」「カフェ巡りをする」などの詳細は、審査官から突っ込まれた場合に説明すれば問題ありません。
② 滞在期間
Q:How long will you stay? (どのくらい滞在しますか?)
- For 7 days. (7日間です)
旅行の日程表や帰りの航空券の控え(eチケット)を提示できるように準備しておけば、よりスムーズに通過できるはずです。
③ 滞在場所
Q:Where will you stay? (どこに宿泊しますか?)
- at [Hotel Name] in Stockholm. (ストックホルムの〇〇ホテルです)
- Friend’s house. (友だちの家です)
念のため、ホテルの予約確認画面や住所、友人宅の連絡先などを書いたメモを準備しておきましょう。
④ 帰国予定
Q:When will you leave?(いつ出国しますか?)
- May 1st.(5月1日です)
- Next Monday. (次の月曜日です)
帰国時のチケットを持っているか、はよく聞かれる質問です。航空券の控え(eチケット)を手元に準備しておきましょう。
【注意】職業や所持金を聞かれることも
最近は不法就労防止等のため、職業(Occupation)を聞かれるケースが増えているようです。「Office worker(会社員)」「Homemaker(主夫・主婦)」など、すぐに回答できるようにしておきましょう。
また、所持金を聞かれた場合、北欧はキャッシュレス社会のため、入国時に現金を用意していないこともあると思います。その場合、「持っていない」と答えるより、「No cash, but I have a credit card. (現金はないが、クレジットカードを持っている)」などと伝える方が良いでしょう。
EESに関するよくある質問(FAQ)
Q1:EESは事前のオンライン申請や料金の支払いは必要ですか?
A:いいえ、事前申請や支払いは不要です。よく混同される「ETIAS」(2026年秋頃から運用開始予定)は事前申請と手数料が必要ですが、EESは空港で手続きを行うもので、費用はかかりません。
Q2:パスポートにスタンプは押してもらえないのですか?
A:はい、原則として廃止されました。入出国の記録はデジタル管理となるため、入国時のスタンプ押印はありません。ちなみに筆者は一度、入国審査官に「スタンプをもらえませんか?」とお願いしてみましたが、「NO」と言われました。
Q3:乗り継ぎ(トランジット)だけでもEESの手続きは必要ですか?
A:はい、シェンゲン圏に入る最初の国で手続きが必要です。 例えば「日本→ドイツ(乗り継ぎ)→スウェーデン」の場合、最初の到着地であるドイツで入国審査(EES登録)を行います。その後は再度の登録は不要です。
Q4:顔写真や指紋の登録は、毎回行わなければならないのですか?
A:いいえ、2回目以降は簡略化されます。初回登録したデータは3年間(またはパスポートの有効期限まで)保存されます。次回の渡航からは、キオスク端末でのパスポート読み込みと顔認証などでスムーズに通過できるようになります。
Q5:子供も指紋の登録が必要ですか?
A:12歳未満は指紋登録が免除されます。ただし、顔写真の撮影は年齢に関わらず全員必須です。小さなお子様連れの場合は、現地スタッフの指示に従って撮影を行ってください。
Q6:自分の滞在可能残り日数はどうやって確認すればいいですか?
A:オンラインで確認可能です。EESの公式サイトに、パスポート情報を入力することで「あと何日間滞在できるか」を確認できるセルフチェック機能があります。
Q7:EESの導入で入国審査の待ち時間は長くなりますか?
A:初回登録時は時間がかかる可能性があります。特に指紋や顔写真の登録が必要な初回は、一人あたりの手続き時間が延びる傾向にあります。
※本記事の情報は2026年4月時点のものです。最新情報は外務省やEESの公式サイトをご確認ください。
>> EES(出入域システム)|外務省
>> 出入域システム(EES)公式サイト

